私は少林寺拳法は単なる武道でもスポーツでもない,金剛禅総本山少林寺に伝承する宗門の行であり、身心一体の修養法であることに興味を持ち、27歳の年に生駒道院を始めました。

人間としての、ほんとうの強さを養うとともに、タテ糸とヨコ糸が上下左右の織りなされる、いわば織物的人間関係をつくり上げることを目的とする少林寺拳法にあって、私は群れからはじかれた一匹狼を育てる気ははじめから毛頭ない。

私がほんとうに育てたいと努力して来たのは、強くて、やさしくて、賢明で、その上行動力のある人間なのである。

別に云えば「半ばは自己の幸せを、半ばは他人の幸せを」を考えられる質の高い人である。

少林寺拳法に限らず、技術が上達すればその人の人間の質が自動的に高まるとは限らない、「修練」だけでは質は高まらない、質を高めるためには「行」でなければならない。

私の道院は、修行の場としてやっていきたいと思っています。